2013年12月07日
飲酒で無くした可愛いあの帽子の話
子どもがまだ小さかったころ、
クリスマスイベントを行うレストランを予約して
おそらく嫌がる夫も無理やり、連れて行きました。
当時の私は、お酒が入ると
日ごろの不満を愚痴り、責める、
『暴れるタイプ』の次に嫌な酔い方ばかりしていました。
バイキングに飲み放題、日ごろのうっぷんを晴らすかのように、
相当に飲んだ覚えがあります。
そして、日ごろ外泊ばかりで帰ってこない夫に対して、
何でちゃんと家に帰ってこないの、
何で子どもの世話をしないの、
何で私を避けるのか、と
責めたて、暴言を吐き、愚痴を言い続けたと思います。
帰りの電車の中でも、
私はギャーギャーと夫を責めていました。
その時の子どもたちはどんな気持ちで私を見ていたか、
考えると本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
電車の中の暖房で、
酔った頭がさらにボーっとなり、
気持ちが悪~い状態になりました。
電車を降りて、タクシーを待つ間に
数回、植込みの陰に吐きました。
まだ吐きそう、と思いながら
タクシーに乗り込みました。
タクシーのニオイと揺れで、ますます吐き気が増強されました。
路肩のない国道であり、「止めて」と言っても止まることは不可能でした。
ゲ〇袋を持っていませんでしたし、
袋代わりになるものも、持ちあわせてはいませんでした。
タクシーを汚すことだけは何としても避けねばならないと思いました。
そして、限界に達した私は、
横に座っていた次女がかぶっていた
白いレースが付いたかわいい帽子をわしづかみにし、
ひっくり返してそこへ吐きました。
・・・・・・
私には最低が一体いくつあるのでしょうか。
思い出すと、心底つらいです。
でも、決して忘れてはいけない私が犯した罪です。
麦藁帽子 西条八十 作
母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?
ええ、夏 碓井から霧積へ行くみちで、
渓谷へ落としたあの麦稈帽子ですよ。
母さん、あれは好きな帽子でしたよ。
僕はあのとき、ずいぶんくやしかった。
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
(以下略)
ルノアール 【レースの帽子の少女】1891年
rara_5 at 01:28|Permalink│Comments(7)